icon01 修験道について

修験道は自ら修して、自らその験しを得るところに真髄があります。修するとは、役行者 の教えを修するのであり、験しを得るとは、単に験力や神仏の加護を獲得することを目的とするばかりでなく、究極は自らの心の高まりを得ることに他なりません。自らの身体で体験し、その精神を高めていくというあり方は、ある種万人に向いた親切な教えであるとともに、実体感を喪失しつつある今日の社会にも大きな役割を担っているとも言えます。また、大自然を神仏のいる道場とみなし、自然を征服するのではなく歩かせていただくという精神は自然との共生を計るという、これからの時代の精神性にも共通し、時代の先取りといえましょう。

icon01 山岳宗教と修験道について

役行者によって開かれたのが、山岳宗教の始まりであり、修験者(山伏)達が「懺悔、懺悔、六根清浄」(さんげ、さんげ、ろっこんしょうじょう)と唱えながら山を駆け、修行をします。修験道では、祈りの対象が大自然(母のお腹の中)で、山岳を曼荼羅としてとらえ、修験者(山伏)達は森羅万象を肯定する世界観をもっています。

icon01 修験道の根本道場

「金峯山寺」(きんぷせんじ)

西暦673年、役行者(役小角)によって、奈良県吉野の地に開創された修験道の総本山であり、山岳宗教の根本道場でもあります。ご本尊は寿命神である金剛蔵王大権現です。金剛蔵王大権現は、釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊です。中央が釈迦如来であり、衆生の過去世(前世)をお救い下さる。右側が千手観音であり、衆生の現在世(現世)をお救い下さる。左側が弥勒菩薩であり、衆生の未来世(来世)をお救い下さる。このように、同一のお姿を三対並べておまつりするという特異な形をあえてとっているということは、「三世救済」という御請願が強烈に表明されていると受け取れます。仏教には「輪廻転生」という思想があります。[生まれかわる]ということであり、蔵王堂の御本尊に見られる過去、現在、未来の三世救済の信仰は、明らかに輪廻転生に立脚しているものと言えます。

金峯山寺